第1章:ドロンとドロシー
むかしむかし、
ふたりの「なかよし」が いました。
ひとりは、
強くて まっすぐな 戦士ドロン。
魔物が こわくても、
「だれかを 守るためなら、
ぼくは 戦う。」
と、いつも まっすぐに 生きようとする 人でした。
もうひとりは、
やさしい 魔法使いの ドロシー。
こわい 魔物を 見ても、
「もしかしたら……
話が できるかも……。」
と、そっと ほほえむような 人でした。
ふたりは
ちがうところが たくさん ありましたが、
それでも
とても とても
仲よし でした。
けれど ドロンには、
ひとつだけ だれにも 言わない ことが ありました。
「魔物」という ことばを 聞くたびに、
胸の 奥が きゅっと 痛むのです。
その理由を、
ドロンは だれにも 話したことが ありませんでした。
そんな ある日の こと。
ふたりが 道を 歩いていると、
森の ほうから
かすかな——
ふしぎな 声が 聞こえてきました。
ドロンは 思わず 剣を にぎり、
ドロシーは 魔法の 光を
手のひらに そっと ともしました。
ふたりは 目を 見合わせ、
ゆっくりと その声の するほうへ、
森の 中へと
歩みを すすめて いきました。
それが、
ふたりの 運命を 変える 一歩に なるとも 知らずに。